物流業界と住友倉庫 物流の現状と未来について

物流の現状と未来について

物流のもっと先へ
次代を拓くソリューション・プロバイダー住友倉庫

物流サービスとは輸送と保管に関わるすべての活動を意味しています。技術革新に伴い多様化する商品の形状や性質、高度化する物流ニーズを考えればビジネスチャンスは無限の可能性を秘めています。だからこそ、物流企業にはより戦略的な物流(ロジスティクス)が求められます。住友倉庫ではこうしたニーズにいち早く対応した高度な物流システムを構築・提案し、ハード(施設)とソフト(システム)の両面で業務を拡大し、「物流新戦略」を創造しています。例えばハード面においては、全世界に拡がる海外拠点を網羅したネットワークを使ってのタイムリーな貨物のハンドリング、ソフト面においては倉庫に集まってくる物流情報を様々な形に加工してクライアントにフィードバックするなどの多彩な付加価値化など。単に輸送や保管だけに留まらず、企業戦略の達成という目的に合致した物流システムの構築を行っています。
一方、保有する広大な倉庫用地を公共の利益に資するよう、都市再生型の開発事業を展開。それら双方において、存在価値を高める「物流と不動産のソリューションプロバイダー」が住友倉庫なのです。

事業・業務の垣根を超えて展開する住友倉庫の業域拡大

住友倉庫グループの部門別営業収益比率を見れば分かるように、倉庫事業は14%にすぎません。
貨物の輸出入の要となる港湾運送事業が15%、国際輸送事業が31%、そして都市開発を手がける不動産事業が全体の7%を占めます。
これらの数字を見ただけでも、住友倉庫が「倉庫」という事業を超え、多角的なビジネス展開を行っていることが容易に想像できるでしょう。
2022年度の住友倉庫の連結営業収益は2,239億円ですが、そのうち不動産事業が約1割を占めます。古くから保有する土地を活用し、東京住友ツインビルなどのオフィスビルや複合商業施設、ビジネスホテル、賃貸マンション、現代芸術ギャラリーなど多彩な用途の物件を手がける不動産事業により経営基盤は安定しており、景気変動に影響されにくいとされる住友倉庫の企業体制にも寄与しています。このような業域の拡大と並行して、主力事業も大きな変貌を遂げています。例えば倉庫事業においては、物流における重要な結節点として高度な情報機能を持つだけでなく、従来の倉庫の概念をはるかに超えた物流のキーステーションとして機能しています。また国際輸送事業では、インターネットによる国際貨物トレースシステムを導入するなど、住友倉庫では、国際輸送事業・港湾運送事業・倉庫事業・不動産事業の4つの事業を有機的に結合させ、物流革新をリードし続けているのです。

連結営業収益構成 連結営業収益構成 連結業績の推移(単位:百万円)(各年度末) 連結業績の推移(単位:百万円)(各年度末)

保管場所としての倉庫から
複合機能を有するコントロール拠点としての倉庫へ

全国に50以上の倉庫と多くの提携業者を有する住友倉庫では、「倉庫」を物流における重要な結節点と位置づけ、総合的な物流コントロール機能を一層充実させています。
一般的に倉庫といえば保管施設として捉えがちですが、今日では保管よりもむしろ目的地へ輸送するための拠点へと様変わりしています。また、在庫情報や入出庫情報、さらに配送にいたるまで、すべての過程における物流情報を集約・発信する場ともなっています。倉庫にストック(保管)とフロー(輸送)の管制塔的役割を持たせることによって、保管場所としての倉庫から、物流のコントロール拠点へと進化を遂げているのです。
さらに住友倉庫ではSWAN(グローバルロジスティクス管理システム)等を通じて、住友倉庫と顧客との間で物流データを共有化。これにより、顧客サイドで必要な情報を引き出し、様々な事業計画に反映させることを可能にしています。この他にも、検品・梱包などの流通加工機能や配送まで一貫して行う体制を整備しています。また、国内初の免震構造、非常用自家発電設備の導入により、地震、火災、停電、ネットワーク回線への各種の災害対策を図り、最新鋭セキュリティシステム、温湿度管理による情報管理、生体認証システムや太陽光発電システムといった質が高く環境負荷低減に努めた倉庫も稼働させています。
保管場所から物流のコントロール拠点として機能する倉庫へ。その姿は物流情報を自在にコントロールする「司令塔」と呼ぶにふさわしいでしょう。

IT物流サービスのパイオニア
住友倉庫の情報戦略が物流システムを進化させる

住友倉庫では業界に先駆けてコンピュータを導入し、1974年には全国オンラインによる在庫管理を実施、さらに業界初の自動ラック倉庫を稼働させるなど、早くから情報戦略に力を注いできました。
近年、プライベートクラウドサービスを導入。運用管理コストを低減するとともに、システムの構築に重点をおき、お客様の様々なニーズに応えています。例えば、現在の企業活動は、原材料の供給、製造、輸送、商品納入に至るまで地球規模で行われるものとなっており、そこでは物流の全体最適化が強く求められています。
そのため、在庫、入出庫履歴、貨物トレースなどモノに関する様々な情報を、世界レベルで把握する必要があります。こうした中、期待を集めるのが、住友倉庫のような企業の物流業務そのものを一括して引き受ける3PL(サードパーティロジスティクス)の存在です。グローバルロジスティクスシステムの企画・提案を通じ、クライアントのサプライチェーンを強力に支えられるのも、豊富な物流ノウハウと高度な情報ネットワークを有する総合物流企業だからできること。住友倉庫は、お客様の期待に応えるベストソリューションを提供し続けています。